介護保険コラム


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このページでは、介護保険などに関するコラムを、様々な視点で綴っていきます。
よくある事例とか、いわゆる「裏話」的なことまで。

新しいものが上で、古い記事は下に、更に古いものは過去ログとしてページを移しかえながら、ぼちぼちと。


題名:3月24日の件、予想どおりの展開か? 日付:2008.4.23

 介護保険のしくみは一見複雑だが、理解してしまうとそうでもないかも・・・。

 介護報酬の解釈や、各サービス事業所の運営基準とか、ケアマネジャーが勉強すべき項目など、そういった視点で言えばなかなか大変な事でありますが、ここで言っているのは制度のおおまかな仕組みのことで、4月異動の市町村役場の職員などがパンフレットを眺めて制度の概要を理解し、一般市民の前で説明できる程度のレベルの話であります。
 そんな彼らも、最初のうちは「異動したばかりですみません」なんて言い訳もできますが、半年あたりを目処に、ケアマネジャーたちと互角以上に張り合わなければならなくなります。

 介護認定係と給付係、どうも給付係の方のキーワードが多い気がします。

 調整交付金は1−12ベースで精算、国庫負担金は3−2ベースで概算交付、翌年度精算。不足した場合は過年度分として翌年納入するが、準備基金から立て替えていた場合、準備基金積立金として積立て、過分であったなら返納金として翌年返納する。どっちにしても当初予算では未確定で、補正予算で対応する。これは第2号被保険料部分の支払基金交付金も同様。
 都道府県負担金は2−1ベースで精算交付であり、市町村負担部分の一般会計繰入金(介護給付費繰入金)は、当該年度介護等給付額が確定したらその12.5%を繰り入れるか、足りない場合は予算計上額の範囲内でそれ以上繰り入れることとなります。

 準備基金の保有に余裕がある市町村はやりくりが簡単ですが、それが無いところはしんどいだろうと想像します。
 国庫負担金と支払基金交付金を多めに頂いて翌年返納のパターンであればいいのですが、その逆になるとどうにもならなくなるから、交付申請前の段階で多めに見積もることが必要と思われます(それが出来るのか、現在の状況はわかりません)。

 認定事務費交付金とは、主治医意見書(役務費)や訪問調査(委託料)と、認定審査会委員報酬など認定に係る事務費の1/2相当を補助するものであるが、たしか平成15年度あたりを最後に財源移譲ということで現在はありません。
 おそらく過去のファイルを見つけて、キーワード検索をかけてきていると考えられるので、念のため説明しておきます。

 キーワード検索に対する大まかな回答と言うか、新任の介護保険係さんの参考になればと思います。

 ケアマネジャーとともに歩み、時には敵に回して戦うための知識は、法令把握は勿論、各書籍などを読んで自分で勉強するしかありませんが、これは大丈夫だと思います。
 私自身はぜんぜん大した事なくて、大いに舐められまくってましたが(笑)最近の人たちと言うか、近年各自治体の人事は、介護保険に対する認識、評価を以前より重要視してきている様子で、かなり優秀な人材を介護保険担当に任命するケースが多い様子であり、コムスン事件に代表されるような、そんな事がいつまでもまかり通るとは思いません。

 逆に、一生懸命頑張っておられる事業者、ケアマネ等との信頼関係を絶大なものとして、利用者にとってよりよい制度へと発展させてもらいたいと思います。

 大体の仕組みを表す財源内訳参考(基本的なもの)
 項目(歳出)  財源内訳(歳入)
主治医意見書作成料、認定調査委託料、審査会委員報酬、国保連共同処理、システム保守、その他事務に要する経費、介護保険担当者などの給与、手当など
 一般会計繰入金(事務費繰入金)
 負担金(介護認定審査会共同設置負担金など)

介護(支援)サービス等給付費(居宅介護、施設介護、高額介護、審査支払手数料、地域支援事業費など)  国庫負担金等(調整交付金含む)、都道府県負担金等、支払基金交付金等(第2号保険料)、第1号被保険料、一般会計繰入金(介護給付費繰入金)、準備基金繰入金(必要に応じて)財政安定化基金貸付金(財源不足の場合)
財政安定化基金拠出金 第1号保険料
基金積立金 前年度繰越金(過年度分国庫負担金、過年度分支払基金交付金、第1号保険料余剰部分など準備基金積立相当額) ※元々は全て第1号被保険料であり、年度ごとのやりくりで形上、前年度繰越金とか過年度負担金が財源というふうになる)
償還金及び還付加算金など 前年度繰越金(第1号保険料還付金、国庫支出金及び支払基金交付金償還金
一般会計繰入金(還付加算金、高額介護貸付金)







題名:さてー、年度初めはこのサイトのアクセスが伸びる時期だ 日付:2008.3.24

 市役所などの人事異動間もない時期、当サイトの「介護保険のしくみ」のページなどのアクセスが劇的に増加することが予想される。

 当サイトは、ニンジャのアクセス解析を導入している。無料の解析ツールで、IPアドレスなどおおまかな事は分かるが個人が特定されることは決してないのでご安心あれ。

 とは言え、どこの市役所さん「○○city.ne.jp」とか、県「pref○○」など、そういうのは分かってしまいます(うっしっし)

 けど当然ですが決して「○○市さんからアクセスが多いようだ」などと言うことは書かない、触れない。どうか安心して来て頂きたいです。

 面白いのは、お気に入りから来てくださる事が一番嬉しいのではありますが、やはり検索キーワードですね。

 「介護予防支援 8件 根拠」 「高額介護 返還 方法」 「介護給付費準備基金 根拠」 「介護保険調整交付金 調整率 根拠」 「介護保険特別会計 しくみ」 など

 あーなるほど、多分こういう事を知りたくて調べてるんだろうなって、なんとなく分かる。当サイトに答えがあるものは、見つけてほしいし、そうでないものは、ちょっと歯がゆいが、この検索ワードを参考にコンテンツを作っていこうと考えています。

 BBSの設置は面倒だ。はっきり言って管理する自信がないというのが本音。他サイト様でも荒しとか、アフィリエイトスクール受講生のKYな相互リンク依頼の書き込みとか、かなり苦労されているのを目の当たりにするとやはり私には無理ですね。


 またちょっとまてというか、「事務費 介護保険料で賄う」なんて恐ろしいキーワードも見られる。これは12月補正予算時期あたりに出てきます。

 恐らく、主治医意見書(役務費 作成料) とか認定調査委託料なんかが見込み違いで予算不足を生じると結構厄介だったりする。余っている(予算上)給付費のうち保険料の財源を流用できないか、はたまた準備基金を取り崩して何とかできないかと考えてるのだろうか?勿論、補正予算可決後、戻すのだろうが、危ない危ない。(その逆は結構見受けられますがこれもあまりやりたくないですが)。
 とにかく行政マンという人々は「根拠」というキーワードがお好きなようすです。

 「住所地特例 根拠」 「入所退所連絡票 根拠」 ・・・しつこいですね(笑)

 根拠の多くは、「介護保険法」などにありますが、ただ法令の根拠だけでは納得できないのも非常によく分かります。

 介護保険法にない根拠は、各市町村の条例や、施行規則、細則などにあったりします(入所退所連絡票なんかはこのあたりかなと)

 私たちのように平成11年度の施行準備段階で、「全国課長会議資料」なる冊子を嫌というほど読まされた世代ならまだしも、最近担当される方は本当に根拠を知らないと、事務やってても不安で仕方がないってのはよく分かります。

 きっと頭脳明晰な方々。1年後にはもうこの制度の仕組みを完全に把握して、バリバリ仕事をされておられることと思いますが、時々はこのサイトのことを思い出してくださいね。

 こう振り返ってみると保険者職員1年生にとっては結構役立つサイトだと思います。






題名:介護保険制度のキーマンはやはり保険者たる市町村なのか 日付:2008.2.24

 とあるサイトに、各事業所の介護支援専門員などが、保険者に対する考え、思いなどを記事にして掲載されていて、それを見て、なるほどと言うか、色々と考えさせられることがあった。

 私の2007.5.14のコラム(一番下にある一番最初のコラム)で、行政、事業者、利用者の関係のフロー図で、懸念と理想の二つを示しているが、現状は懸念パターンにあてはまっているようだ。

 ケアマネジャーにとって、敵は厚労省の官僚でも、都道府県でもない、保険者である市町村の担当者であり、または地域包括支援センターであると言うのだ。

 理想は、保険者と事業者が信頼し合い、適切な関係の中で協力し、利用者ありきのサービスの提供を踏まえて法に従って事業を行いつつ、都道府県を通じて厚労省に対して机上の空論にならぬよう要望や意見を伝えていけたらと考えるが、現実は市町村担当者までも机上の空論を展開し、ケアマネジャーや介護サービス提供者を困らせているというのだ。

 「ローカルルール」は、所謂「グレーゾーン」の中で、各市町村の考えで可であったり否であったりするのだが、中には、厚労省や都道府県が「可である」という見解を示しているにもかかわらず、保険者が認めないケースもあるとか。

 私が以前、保険者担当だった頃を思い出してみて、ちょっと考えられない事であり、それが果たして事実なのか?と疑ってしまう。

 実際、利用者は様々な事情があり、様々なケースが発生する。

 私の場合、迷った時は必ず県に相談した。

 利用者が本当に困っていて、ケアマネジャーが利用者本位に考えた場合、結構、何とかなるものだったりする。

 県の担当の方も、すぐには「ダメだ」とは言わないものだったと記憶している。

 最初は悩んだけど、やはりそれは、結果的には「適切なケアマネジメント」という事だったのだと、今でも思っている。

 こうやって悩みながら問題をクリアーしていくうちに、事業者サイドとの信頼関係が強まっていく。

 確かに何でも「ダメダメ」では、保険者に対する不信感しか生まれないのは確かだと思う。

 事業者サイドが、保険者=敵 と考える状況ではこの制度は成長しない。

 この状況を打破するその鍵は、やはり権限を持っている保険者にあると考える。

 保険者も現場サイドだという自覚を持たないと、机上でモノを言うだけであれば、厚労省や都道府県以上の批判、非難を浴びるのは当然のことかなと思う。

 大変だと思うが、頑張ってほしい。



題名:地域包括支援センターの苦悩 日付:2007.11.20
 
 世間の、公務員に対する風当たりは冷たい。

 近年、その傾向はますます強まっている。

 殆どの市町村職員は、そのことを充分に意識して、気を引き締めて仕事をしている。

 正直、社会保険庁のことだからと思っていた年金の横領も、市町村の窓口でも行われていたという事実は、大変遺憾であり、理解に苦しむことであり、残念なことである。

 このような不正を行った職員には、厳罰を与えるべきであるということには賛成である。


 このようなことも公務員バッシングの原因ともなるが、他の理由として、民間事業者とのスタンスの違いからくるものがある。

 全体的に見れば、確かに公務員には色々と恵まれている部分は多い。しかし、公務員と民間労働者を比べてどうこうという議論は大抵、支離滅裂なものとなることが多い。

 ただし、だからと言って公務員はただ反論するのではなくて、そういった批判はあってしかるべしということを肝に銘じて、しっかりと職務を遂行することが肝要である。

 そこで、ようやく本題に入るが、その「民間業者と公務員の温度差」がもろに表面化する仕事の一つとして、「介護予防支援」があげられる。

 もともと、行政に依存していた介護問題を、介護保険施行で民間に市場を開放し、現在に至るわけであるが、民間事業者は、儲からないことはやらない、または出来ないのは当然のことである。

 そして、地域包括支援センターの現状は、大変厳しいものがある。

 公務員は恵まれているとは言うが、「最後の砦」でもあることをご理解頂きたい。

 人がやりたくないこと、しかし誰かがやらなければならないことは、市町村職員等が行うしかないのだ。

 その本来やりたくないことを渋々やってくれている居宅介護支援事業所の委託8件枠の介護予防プランについて、それに不備等ある場合、地域包括職員等は、相手を不愉快にさせないような配慮、つまり「言い方」に気をつける必要はある。

 居宅のケアマネから「上から偉そうに、きつく注意され、むかついた」という話が、インターネットの書き込みなどで見受けられるが、想像できるというか、あり得るかなとも思う。

 居宅介護支援事業所としては、介護35件と予防8件よりも、介護のみ39件の方が当然、割のいいということはある。

 また、利用者が増えた場合、一人が40件以上受け持ってしまうと事業として成り立たないのであるから、件数超過はサービス提供の拒否の理由としてやむを得ないことであるが、8件の介護予防支援には、地域包括支援センターという本来の受け入れ先があるため、今後、居宅介護支援事業所が介護予防支援は受けないということは当然起こりうる。

 そして、地域包括支援センターは、「上限」なく、介護予防対象者が増大する中、一人が100件を超えるといた状況で、時間外勤務、サービス残業、心身ともに壊れ、退職する者などがいると聞く。

 将来懸念されている「介護難民」。

 高い安いはさておき、制度改正が頻繁で、単価や利用限度の改悪がいとも簡単になされて、当初は安定していると思われていたこの事業は、実は大変リスキーであることが判明している現在の介護報酬のあり方で、民間事業所等が「もうコリゴリだ」と参入しなくなれば、地方自治体等がやるしかない。

 地域包括支援センターの現状は、そういった将来像が垣間見える。




題名:介護予防は机上の空論か? 日付:2007.10.15

 高齢者介護Networkでのメインメニューでは、介護保険制度の仕組みなどを、若干は私見は入るものの、淡々と説明している。

 新たなサービス体系である新予防給付などに対して、疑問等を感じつつ、そういったことには一切触れず、パンフレットのような説明をしている。

 所々、本物のパンフレットにはないような、意見もほんの少し、チクリ・チクリと交えてはいるが、新たなサービス体系に関する説明の部分で「給付費抑制を強く意識した制度改正」などという本音は一切記述しなかった。

 本日、テレビ朝日の「たけしのテレビタックル」という番組で介護保険に関することに触れられていた。

 あの番組は、非常に熱い議論がされているが、非常に有意義な番組だと個人的に思っているのだが、そこで、介護予防給付について「机上の空論だ」という表現が出た。

 実は、私もこれを強く感じていたことで、あぁ、はっきり言っちゃっていいんだな・・・と思ったもので、私も感じた率直な意見を書くことにした。

 今、私自身は介護保険関連の仕事に携わっていないが、現在も携わっている方々から色々な情報は入ってきている。

 色々な愚痴も耳にする。

 どうも、利用者も、サービス事業者も、居宅介護支援事業者も、地域包括支援センターも、そして保険者も、みんな困っている様子である。

 この5者が、それぞれ不信感を抱きながら仕事をしているという状況が見え隠れする。

 特に、居宅介護支援センターと地域包括支援センターとの、8件枠のやりとりで険悪な状況が垣間見える。

 本来、強い信頼関係が必要な者同士が、お互いに不信感を抱いている状況ではないのか?


 地域包括支援センターは、本来、総合的な窓口と位置づけられているが、実際は介護予防計画作成でいっぱいいっぱいの状況であり、高齢者虐待や権利擁護関係等の役割は機能しておらず、また、直営のところでは、保健センターからいきなり配属された保健師も困惑し、自身に課せられた役割を納得できずにいるケースも多い気がする。

 このような状況を、行政職員の怠慢だと民間の居宅介護事業者やサービス事業者から批判がある一方で、以前から保険者サイドとして介護に携わっていた地域包括の保健師や社会福祉士などは、予防サービス事業者や、居宅介護支援事業者の委託8件枠のやりとりで、ついつい上からきつく当たってしまって、反感を買っている。
 これは、地域包括支援センターで勤務されている方も、激務で辛い状況であり、ついつい委託先等に辛く当たってしまっているが、民間事業者からすれば「私たちは以前から苦労していたんだ」という気概があり、公務員批判の格好のネタになってしまっている。

 なぜ関係機関が苦しみ、不信感を抱き、いがみ合いながら仕事をしなければならないのか、それは給付費抑制を目論んだ無理のある制度の上で仕事をせざるをえないということが考えられる。

 まさに「机上の空論」が起こしている現場の状況と言えるだろう。

 もし、「いや、これはうまくやれば素晴らしい制度だよ!ウチはうまくやっているよ!事業者と地域包括の連携もバッチリだよ!仲良くやってるよ!本当に介護予防に効果が表れ、わが市、わが町では要介護者数が右肩下がりになってるよ!」というところがあれば、是非、教えて頂きたい。ご連絡頂きたい。

 モデルケースとして当サイトで紹介させてほしい。

 愚痴の方はご勘弁を!こちらはいくらでも聞けるので。




題名: 下っぱ町職員の平成11年10月第1回介護認定審査会ドタバタ奮闘記(最終回) 日付:2007.9.5
(前回のあらすじ)

 下っ端介護保険担当職員が、介護認定審査会の最中、審査会委員から指示されて一時判定結果の一部修正作業にとりかかるが、一時判定ソフトにトラブル発生し、一部修正作業が出来ない

 色々と原因を究明したがどうにもならず、システム構築業者の担当者、Tさんに相談したが、なかなか原因が分からず、数時間が経過した。

 介護認定審査会の会場では審査会委員さん達が待っている・・・一部修正結果を。


(下っぱ町職員の平成11年10月第1回介護認定審査会ドタバタ奮闘記(最終話)


 介護認定審査会が始まったのが午後6時。

 一部修正の指示が出たのが6時半あたりだったと思うが、もう8時過ぎている。

 しかし、審査会会場から「まだ出来ないのか!」と誰も催促しに来ないことが、少し気にかかった。

 一応、関係町事務局の担当者には、コンピューターのトラブルだと伝えてはいるが・・・。

 私の方から、審査会会場にお詫びに行こうかとも考えたが、その勇気がなかった。

 ひたすら、Tさんからの連絡を待った。

 「プルルル・・・」と電話が鳴った。

 私は即座に受話器をとった。その電話がTさんであることを期待して。

 やはりTさんだった。

Tさん「遅くなってすみません。原因が判りました。私どもの設定ミスでした。直しておきましたので、一次判定ソフト使用できます」

 Tさんはその設定ミスの内容を説明されていたが私には理解不能だった。私もエクセルのマクロがある程度理解できる程度で決してそれほどIT関係に疎いわけではないが、保険者システムと一次判定ソフトの連結の設定の加減で、他町のデータを入れると固まってしまったというふうな内容だったと記憶している。

 しかし、一部修正作業で他町のデータを使用することを説明していなかったのはこちらのミスであり、Tさんを責めるつもりは毛頭ないが、もう少し早く・・・だったらなぁくらいに思っていた。

とりあえず、Tさんも大変苦労された様子だったので、私は「ありがとうございました」とお礼を言って、早速、一次判定の一部修正作業にとりかかった。

 作成した資料を片手に、恐る恐る審査会会場のドアをノックする。

 「失礼します(汗)」

 ドアを開け、会議室に入ると審査会会長であり、郡の医師会会長でもあるS先生、O町社会福祉協議会の局長、Fさん、特別養護老人ホームA苑施設長、Oさんなど、6名の審査会委員さんは、一瞬、私の方に目を向けたが、すぐに視線を外し、うつむいた。

 誰も、何も言わない。会場は静まり返っている。

 私も、『大変お待たせして申し訳ございませんでした』という一言を、言わなければならないのに、あまりの異様な雰囲気にその言葉が口から出てこない。

 私は冷や汗をかき、その場にへたっと倒れそうな、そんな状態だったが、ふと冷静に審査会の様子を見ると、何かおかしいと気が付いた。

 皆、まだ審査会資料とにらめっこしているではないか!

 私は「どうなの?」と、ドアから一番近い位置にいたY町のWさんに尋ねた。

 Wさん「・・・・ずーっとこの調子だよ」と疲労困憊の様子。

 審査会は、私の一次判定一部修正を待っていたのではなく、まだ12件のうち5件目あたりで審査判定に悩み、同道巡りの議論と沈黙を繰り返していたのだ。

 そして、発言がないまま1時間ほど経過し、それでピリピリしていたのだ。

 最悪の状況を耐えておられる会場の審査会委員と事務局の皆様には申し訳ないが、私の心の中は、何ともいえない安堵感に包まれていた。

 私はまた事務所に控えるため、その異様な雰囲気の会場を退室する際、2回目のお茶を入れるため、関係町、K町の女性職員、Kさんも一緒に事務所に来たので、その時にこれまでの様子を色々聞くことが出来た。
  
 一次判定資料と認定調査員が記載した特記事項の内容、主治医意見書とを総合的に勘案しても、なかなか対象者の状態がイメージできない様子。調査票と主治医意見書との相違で悩み、他の審査対象との比較で一次判定結果が認知症(当時は痴呆)のない対象者の方が重い介護度が出ていたりするとまた前の審査に戻って議論しなおしたりしながら、悩み込むうちに誰も発言しなくなったそうだ。

 現在でも、コンピュターの一次判定は完璧とは言い難い。それを踏まえた上での認定審査会による二次判定システムであり、1回につき40件とか、50件の審査判定をこなしているというのが現状である。

 しかし、この時は誰もが始めての経験であり、一次判定結果の矛盾に対してどう対処していいのか解らず、苦労していたのだ。

 結局、また一部修正の指示がでたり、再調査となったりして、審査会が終わった時には夜中の11時をまわっていた。何と12件の審査に5時間を要したことになる。

 本日の合議体長、S先生はこう締めくくった。

「今日は最初だからこんなものでしょう。勉強しながら徐々に慣れていきましょう」と。

こうなることを予め予想されていた様子だ。さすがだ。

他の審査会委員さん、関係町事務局の担当者達も疲れきった様子で、「お疲れ様」と挨拶を交わし、帰っていった。



そして次の日の朝

 私たち、コンピューター一次判定チームのミスが思わぬ事態で帳消しになったことを、早くJセンターのTさんに知らせなければと思っていた。

 当時はまだ仕事で電子メールはあまり使っていなかった。携帯電話のメールが流行しつつあった時代だった。

 Tさん宛てに、ファックスを送信した。
 
「昨日は迅速な対応、ありがとうございました。」

 と書き添えて。

     (終)

 




題名: 介護保険事業者について  日付:2007.8.6

2007.5.14の「行政職員にもの申す」では、事業者をしっかり指導していくことを申し上げておりますが、介護支援専門員や施設長など、長年業界に関わる介護保険事業者に属する者と、人事異動で2年とか3年で入れ替わる行政職員とでは知識に差が生じるのも無理のないことかも知れません。

 私も色々な事業所を見ていますが、中には素晴らしい方々がおられます。

 彼らは勉強熱心であり、保険者への問い合わせ内容と言えば、いわゆる「ローカルルール」のこととか、グレーゾーンに関する問い合わせくらいで、あらゆる相談事に関してもスムーズで話が早い。我々保険者サイドの人間からすれば楽な相手かもしれません。。

 また、そういう方々は、一概には言えないが「不正」をしない、許さない傾向があります。

 制度を熟知しているからこそ、グレーゾーンで不正ギリギリを攻めることができるし、いかに稼ぐかを考えられるのではないのか?いや、そうではない。彼らは攻めるギリギリのグレーゾーンとは利用者本位で考えてのことであり、儲け主義の勉強と、介護福祉、介護保険制度の勉強との両立はなかなか難しいのが現実で、儲け主義事業者は介護保険制度に関しては全く不勉強であることが多い。

 一時、グループホームに悩まされた時期があり、福祉のふの字も知らない方が、とりあえずお年寄りを自分が所有する建物に入れておけば自動的に介護報酬が発生すると安易に考えておられる者も存在するのも確かです。

 まぁ、これは極端な例ですが、勉強熱心な、素晴らしい介護支援専門員なり、施設長などに出会えたなら、保険者職員も、彼らに色々と教えて頂くのも必要だと考えます。

 介護保険制度は、保険者と事業者が共に勉強しながら育てていかなければならない制度だと考えているからです。

 勿論、彼らがその知識を盾にして不正に走ったときは全力で立ち向かわなければならないところが辛いところで、昨日の先生は今日の敵ということですが、そんな話は聞いたことがありません。先に述べたとおりであります。

 また、不正を行う訳ではないけど困った方々もおられます。

 介護保険法で決まっている基本的な部分は、保険者に問い合わせる必要は本当はない筈ですが、実際はこういった類の問い合わせも結構あります。
 インターネットですぐに調べることができるような内容もあり、正直、ムカッとくることもありますが、それも役所の仕事だと心得て対応しましょう。

 管理が拙く、被保険者番号とか、要介護度の問い合わせが頻繁なケアマネもいました。これはもう怒り心頭でした。

 利用者の基本的な情報管理が出来ていない証拠であり、よくこれでケアマネジメントが出来るものだと不思議でしょうがありません。

 こういったタイプの人に制度の勉強を熱心にする方はいません。制度改正も把握せず、問い合わせ内容も支離滅裂で、堂々巡りな議論になり易く、相手にすると大変疲れることが多いです。


いわゆる不勉強、不真面目タイプのミスに振り回されるのもよくあることだと思いますが、実際に私が最も心を痛めた相手は、儲け主義事業者です。

 しかし、利用者へのサービスは悪くないようで、喜ばれているようだったので、この点は救いですが、これは逆に利用者も不正に加担してしまうこともあるため、ある意味厄介かも知れません。

 新予防給付創設前のことで、その通所介護事業所は「要支援」など、比較的軽度の利用者を中心に掘り起こしをされていました。
 「ウチに来れば温泉があるよ」と宣伝し、社協の利用者はたちまちそちらに流れたが、非該当レベルの方の掘り起こしも熱心にされていた。

 介護報酬は低いかもしれないが、重度の利用者1人より、非該当に近い方を10人利用頂いた方が楽だし儲かるということだ。重度化した利用者はなぜか社協に移行したり、施設入所となったりしてその事業所から離れていった。

 当初、訪問調査を委託していたが、あまりに怪しいので、我々自ら調査することにした。やはり、要支援や要介護1から非該当になってしまう方々が続出。

 利用者さんの希望もあるのかも知れないが、再度、新規申請をしてくる。そして調査時に利用者の口からポロッとでた一言で分かった主治医への根回し。「今度は○さん(事業者の者)が先生にようにお願いしてくれたみたいだから大丈夫でしょう」と。

 こんな攻防はよくあることだが、私は訪問調査時、その事業者の居宅介護支援事業利用者に必ず訊ねていたことがあった。それは「ケアマネジャーさんは最近では何時来られましたか?」と。

 その結果、傾向としては、その事業所以外のサービスを利用されている利用者宅には月1回ちゃんと訪問していた。それは「印鑑」をお預かりすることが出来ないからだと思われる。また、他事業者が絡むのだからサービス担当者会議も開催せざるおえないであろう。

 その事業所のサービスのみを利用している利用者は、印鑑をディサービス事業所で預かり、ケアマネジャーの訪問は殆ど無い様子であった。

 そして、確認すると、しっかりと850点(当時)を請求されているではないか。


 これは重大な不正であるが、充分な証拠を集める前に、私がそのようなことをかぎ回っていることを察知されたのか、取り合えず月1回の訪問をするようになったようだが、アセスメントであるとかサービス担当者会議などしっかり行われているのか疑問である。


 インターネット上でも、私など足元にも及ばないほど熱心で、制度に精通しておられる方々をお見受けする。そういったホームページをリンクさせて頂いています。

 本当に勉強になるので、是非活用して頂きたい。
 



題名: 下っぱ町職員の平成11年10月第1回介護認定審査会ドタバタ奮闘記(第2話)  日付:2007.7.1

(前回のあらすじ)
下っ端介護保険担当職員が、介護認定審査会の最中、審査会委員から指示されて一時判定結果の一部修正作業にとりかかるが、一時判定ソフトにトラブル発生し、一部修正作業が出来ない・・・さて、このピンチをどう乗り切るのか?

(下っぱ町職員の平成11年10月第1回介護認定審査会ドタバタ奮闘記(第2話)

 一部修正の案件以外は審査を終了したY町とM町の担当が心配そうに「どうしたのか?」と聞いてきた。私は包み隠さず状況を説明した。

 しかし彼らは「とりあえず私たちは審査会に戻る」と、会場へ行ってしまった・・・。
 その時、一部修正の分は後回しにして、とりあえず他の審査を先に進めて頂くようにお願いをしておいた。


 パソコンと向き合い、色々試してみても一向に解決策は見つからない。原因もわからない。

 そして、介護保険事務システム全般の構築及び保守をお願いしている会社、JセンターのTさんに電話する。
 もはや頼れるのは彼しかいないと判断した。

 ただ、今は夜の7時を過ぎている。普通なら帰宅している時間だ。
 しかし、我々を含め、介護保険施行準備に携わっている者ならたとえ夜中でも職場にいる可能性は十分にあると踏んでいたが、やはり彼はまだ職場にいた。

 「すみださん、どうされましたか?」とTさん。私は現在の状況を説明した。

 Tさん「わかりました。ちょっと見てみます」

 わが町を含む関係町の介護保険システムはとJセンターとネットワークで、遠隔操作でシステムの状況や作業ができるのだ。

 Tさん「原因が分かり次第また連絡します」と電話を切った。

 今、一刻を争う状況だということをTさんも理解してくれた様子だった。

 あとはその連絡を待つだけとなった。自分は何も出来ない無力感と、刻々と過ぎていく時間に対する焦り。辛い状況だ。

 待つこと1時間が過ぎた。Tさんもだいぶ手こずっているようだ。システムのプロが対処してもこれだから、素人の我々が何とか出来るということではない不具合が起こったのだろう。

 一次判定ソフト単体ではなく、保険者事務システムと連結させていたので、その関係で何かあったのか?何も出来ずただ待っている間、色々なことを考えていた。

 本日来られている認定審査会会長、S先生は近隣町村からなる郡の医師会の会長でもあった。

 お医者さんというのは、一概には言えないが、患者さんに相対する場合とは違い、市町村担当者も、介護支援専門員もご存知と思うが、仕事相手としては非常に厄介であるケースが多いのだ。

 事業者サイドの方々から見て、市職員または県職員が偉そうな態度であった場合、それは行政職員、公務員が「勘違いをしている」ということだ。そのような者が存在するということは否定しない。

 しかし、医師は本当に「偉い」のである。主治医意見書作成を怠っても医師に責任はなく、書いて頂けなかった市の認定係が悪いのであり、介護支援専門員の方々も主治医との連携において、色々苦労があると想像する。

 主治医意見書を催促すると逆切れされたり怒られることも珍しくない。医師と直接やりとりせず、医事課の担当者にお願いした方がよいと思う。

 我々は、彼らを怒らせてしまうと大変だということは、十分に理解しているのだ。

 しかし、幸いにも、S先生は温厚な人柄であり、そのような性格ではない。これが「一概に言えない」の所以である。

 ただ、普段温厚な方が怒った場合、短気な方のそれよりも効くという場合もある。我々も普段から大変お世話になっているS先生に不愉快な思いをさせたくないという気持ちがあり、もしこういう事態になった時、自分自身の心のダメージが心配される。

 もう、1時間半が経過。審査会会場は静まり返っている様子。誰も事務所には来ない。いったいどういう会話がなされているのだろうか?

 「一部修正はまだ出来ないのか?」などと言いながら待っているのだろうか

 一応一部修正対象は後回しにしては頂いたが、全部でたった12件だから、さすがに他の審査はもう終わっているだろう。

 あとは一部修正を待つのみ・・・という状況であることは想像できる。

 もはやS先生だけでなく、A苑施設長のOさん、O町社協のFさんもさすがにイライラされているだろうなと。

 何よりも私のミスで上司の顔を潰してしまった・・・そんな思いがよぎっていた・・・(つづく)


題名: 下っぱ町職員の平成11年10月第1回介護認定審査会ドタバタ奮闘記(第1話)  日付:2007.5.22
○前書き

 平成12年4月からの介護保険制度施行に向けて、平成11年10月から前倒しで要介護認定が行われた。
 その記念すべき平成11年10月吉?日、わが町の介護認定審査会の模様を回想し、ここに記します。

○近隣5町による介護認定審査会の共同設置

 わが町は、5町の中央に位置し、また人口規模も他4町の2倍程度と比較的大きく、ほぼ議論の余地なく「幹事町」に”させられて”しまう。いや、町長は上機嫌だが、職員は内心たまったものではなかったろう。これは平成10年度に決まったことで、私は詳しい経緯は知らない。平成11年度に介護保険担当課に配属された時、そう聞かされたに過ぎないのだ。

 今考えたら、規模が小さかろうが、位置が端だろうが、幹事町であっても問題ないと思う。「これ、持ち回りになりませんかね」などと思ったこともあったが、このサイトを作成するにあたって、幹事町の事務局を経験できたことはプラスであり感謝している(余談)

 ただし、私は事業計画のワークシートの作成と、資格管理保険料納付管理、保険給付管理のためのシステム構築などを担当しており、介護認定審査会の設置の根回しなどは上司が担当していたので、介護認定審査会に関しては私は補佐する立場であった。

 5町による介護認定審査会は2つの合議体で、「無任所」の委員も配置し、万全を期す形であった。医療分野、保健分野、福祉分野の委員さんを委嘱するのだが、特に医療分野のお医者さんにはかなり気を使っていた。5町で各1人か2人医師委員さんを委嘱、県内国立大学から精神科医師1名。根回しをそれぞれの町の課長、渋る場合は町長や助役にもお願いしていただくという、その根回しには心血を注ぐといった状況であった。失敗は許されない・・・初めての審査会ではそんなプレッシャーを、幹事町の事務局としてはひしひしと感じていたのだ。

○記念すべき平成11年10月吉日  第1合議体 第1回 介護認定審査会 開催される

 本日の審査会は18時開催。 5町共同設置審査会の介護認定審査会会長であり、第一合議体長でもあるS医院のS先生ほか、6名の委員さんは、開催時間よりかなり早く会場に来られた。後々は、遅刻、ドタキャン当たり前的な先生委員さんも現れるらしいのだが、この頃はピリピリとした緊張感が漂い、そんな方はいなかった。介護保険制度への注目度の高さと、その一翼を担う責任感・・・そういった心意気が感じられた。

 4町の関係町事務局担当者も会場に入った。 審査判定の責任は審査会にあるとの一言が明記されている審査会次第を各委員さんと関係町事務局へ配布する。

 審査会資料は1週間ほど前に事前に配布してあった。準備は万端であった・・・はずだった。

 審査対象は各町1〜3件ほどで、全部で12件ほどだった

 わが町は、幹事町として、担当は上司であり、私はその補佐として審査会資料の作成などしていた。当日も上司とほか4関係町担当者は会議録作成などのため会場に入っているが、私は会場ではなく、事務所に待機していた。

 当時は、1次判定の「一部修正」なる作業が頻繁にあった。 現在は担当を離れているので分からないが、後々、だいぶ減った作業だったと記憶している。
 最近では、審査会委員も事務局も、(事業者も)、一次判定の仕組みを理解し、コンピューターで一部修正しなくても、各項目のチェックの入れ外しでだいたいの時間が計算でき、その結果が分かってしまうことと、ADLと認知症自立度の組み合わせであるとか、状態像の例以外にも色々な変更の指標が示されたため、一次判定の一部修正は殆どないであろうと推測する。

 独自に「一次判定ソフト」を作って公開しているホームページを見かけるが、エクセルなどで、シート関数やマクロを使って一般人が同じようなものを作成するのは充分可能である・・・と今なら思うが当時はそんなこと考えていなかった。

 当時も、私は「トーナメント表」と呼んでいたのだが、一次判定の構造の表が示されてはいた。だがそれを解明しようなんてせず、コンピューター任せだった。私はそのコンピューターの1次判定の一部修正作業のため、事務所に待機していたのだ。

 そんな難しい作業でもないし、大事な仕事を任されているとは感じなかった。むしろ、”はせ”に追いやられた寂しさが漂っていた。事務所で一人佇んでいた。

 そんなたるんだ心がけを、神様は許さなかったのかも知れない・・・。

 「すみだ君、さっそく一部修正の指示がでたよ!

 関係町、Y町のWさんが一部修正の審査対象分を持ってきた。

 「1群の下肢の麻痺のところチェック入れてみて」などと言った感じであったと思う。

 「了解!」 ようやく私にも活躍の場が・・・そう思ったのもつかのまだった。

 既に起動済の一次判定ソフトに、Y町のフロッピーディスク(当時はFDを使っていました)でデーターを呼び込むと、何と・・・トラブル発生!

 「一次判定ソフトが動かない・・・!」

 「すみだ君!もう1件」今度は関係町M町のFさんが一部修正の案件を持って事務所に来た。

 私の顔は青ざめ、血の気が引いていくのがわかった・・・・・(つづく)

 



題名: 行政職員にもの申す(都道府県及び市町村) 日付:2007.5.14
○前書き

  「厚生労働省」にもの申すと言いたいところかも知れませんが、これは単に介護報酬改悪であるとか、利用者の締め出しなど、事業者、利用者双方に不利益をもたらした制度改正などをただ批判することは避けたいと思います。

 実際にこのサイトをご覧になるであろう皆様が直接お付き合いするであろう「都道府県」と「市区町村」についてちょっと生意気言わせてもらいます。

「公務員叩き」という視点ではありません。事業者さんにとって彼らは敵ではありません。ただし、下記のことを実践されていればですけど。


○行政職員にもの申す

 【あなた方が持つ「伝家の宝刀」を日々磨くということとは!】


福祉系に関わらず、行政職員というのは「勘違い」をしてしまう方がいます。いわゆる「行政指導」とか、「指定」の権限によるもので、その制度を活用して事業を行ってご飯を食べている「事業者さん」が腰を低くしているのを見て、「偉そうな」態度をとってしまうということです。

 しかし、彼らが腹の中であなたがたのことをどのように思っているのか、少しは知る必要があるでしょう。

 介護保険の担当となったあなた!福祉の世界では実際にはあなたより「大先輩」である事業者さん相手に、さてさてどのように対すればいいか?

 そんな肩に力を入れる必要はないです。「ナメめられたら後が大変・・・」分かりますよ。他の部署でも同じことが言えます。

 勿論、行政サイドにも、ケースワーカー、ソーシャルワーカー、保健師など、福祉系専門で、介護支援専門員、も取得し、事業者の専門家たちに引けをとらないような方々もおられますね。

 新米の一般行政職君も、地域包括支援センターなどで頑張っておられる方にも、ここでは同じことを申します。

 まず、上から見下すような対応は控えるべきです。その立場が、微妙に上にあるように感じるかもしれませんが、相手が適正に事業を行っている以上は立場は対等です。いわゆる、ビジネスパートナーと言っても過言ではありません。

 介護保険制度に関する問い合わせ、介護保険法の解釈など、色々問い合わせがあると思いますが、忙しい時など「そんなこと自分で調べろよー」って言いたくなるのは分かりますが、親身になって対応すべきです。

 ただし、機嫌を取るということではありません。たくさん勉強し、市民(利用者)同様に助けを求められたら親身になって相談に乗ること。


 また逆に事業者さんから教わることだって大いにあります。その時は素直に敬意を示しましょう。



 福祉に燃えて一生懸命されている事業者さんに肩入れしたくなることもありますが、近くなり過ぎないよう気をつけましょう。その辺の距離のとり方は、他の部署での業者とのやり取りと同じでしょう。


 そうやって頑張っているうちに、事業者さん達はあなたに一目置くようになるでしょう。そうやって「伝家の宝刀」は磨かれていきます。

 普段から偉そうにして、「貴方たちはそんなこともわからないのか」というふうな態度であり、説明会などのたびに「指定取消し」をちらつかせ、威圧する。そうしているうちに本来行政サイドが持つ「伝家の宝刀」は錆び付いていきます。

 ここで言う伝家の宝刀とは、不正請求など、指定取消しの要件に当てはまることが発覚した事業者を、当たり前のように指定取消しをするということではありません。

 指導監査は「伝家の宝刀」を振るう場所ではなく、磨く場所だと考えます。

 普段の業務から信用、信望を得て、自然に協力を得られる道を創っておく・・・ということです。


 事業者さんサイドからすれば「利用者さんのため」などと言いながら、いわゆる「グレーゾーン」。具体例はここでは言いませんが、行政サイドからすれば「黒」に近い非常に危険な橋を渡っている事業者さんに理解してもらって、適正な方向へ転換してもらう場合も、「あなたがそう言うなら・・・」となるかもしれません。

 また、そういった信頼を得ることにより、真に悪質な事業者を淘汰していくこともできるかも知れません。

 これこそまさに「磨かれた伝家の宝刀」と言えるでしょう。

 行政サイドが信頼されないのであれば、悪質事業者も善良な事業者さんも同じになってしまい、「不正」を見抜くことが難しくなります。

 全ての事業者さんに対して「指定取消しもあり得るんだぞ」などと声を荒げるお役人の姿はあまりに滑稽であります。

 日々、利用者さん(住民)のため頑張っている人たちを精一杯サポートしながら、立派な公務員として住民サービスを心がけましょう。

 適正な事業者さんとの立場は対等なのですが、不正を行う事業者に対しては違います!

 悪に立ち向かう、「行政指導」という伝家の宝刀を振るう時のために。


懸念事項
政府、行政の怠慢によって、悪質事業者が不正を行い易い一方、そのしわ寄せが真面目に取り組む事業所に来ている状況をフローチャート図で表しています
理想(あくまで理想論に過ぎません)
政府、行政が適正に制度を運営し、優良な事業者への協力体制を確立し、悪質事業者が淘汰され、利用者がより質の高いサービスが受けられる様子をフローチャート図で表しています


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